竹林

こんにちは。
今週あたまの大雨では、近畿は大水も出て、ECOPの近所の国道は大渋滞でした。この夏の気候はどうなるんだろう?なんだか本当に心配です。


さて、切った竹をトラックに積んで福井の竹炭窯に向かった私たち。その後のことをお話しますね。

そもそも、炭を焼くということはどういうことか。ここから説明が必要ではないかと思います。「竹炭を焼く」というと、竹に直接点火すると想像される方もいらっしゃるでしょう。私も深く考えず、そのような光景を想像していました。しかし、実際はその方法では炭ではなくて「灰」になってしまいます。きれいな炭を作るには、中の竹を酸素のない状態で蒸し焼きにする必要があります。


これが土窯の正面です。土でできているから土窯です。入り口は、竹炭を焼くたびにレンガを積んで土で固めて封鎖する仕組みです。

2,3日土窯に火を入れ、熱気を土窯の中にどんどん送り込みます。すると、窯の中の温度が上がって竹が自然発火して、竹炭ができるんです。

竹を土窯に入れて1日目は、通風口に小さな石ころを置くか置かないか、その微妙な空気量の調整だけでも内部の温度調節ができるそうです。石ころですよ…。橋本さんは、すでに勘でその小石の置き具合を判断できるそうです。すごいです。土窯内の温度は、竹炭・竹酢液の仕上がりぐあいに大きな影響力を持ちます。特に、急激な温度の上昇は私たちの目指す竹酢液の品質には悪影響です。

橋本さんは、最高品質の竹炭・竹酢液を生み出すことができる土窯を作るために、苦労も勉強も惜しみませんでした。
最も重要な材料である[土]選び。選考方法は、ただひとつ、「愚直に試す」です。いろんな土地からもってきた土を練って、丸めて、固めて、焼いて、同じ高さから落として、…。どこ産の土が土窯に適した上部な土か、何べんもオーディションをしました。せっかく焼き上げた土窯をいざ使ってみると、強度不足で亀裂が走ったことも、幾度かあったそうです。

みなさん、コンクリートでいいじゃない、と思われるかもしれません。でも竹炭を焼くにはダメ。作業が簡単でも、竹炭づくりに肝要な「温度調節」が不得意なんです。

しかし、成功のヒントには、コンクリの研究所で出会いました。石、砂利、砂を組み合わせることで、粒の大きさの異なるものが噛み合い強度が大幅にアップすることに気づいたのです。よくお気づきになったもんですねえ。この出来なら10年以上持つよ、と橋本さんは笑いました。

いまではこんなにたくさんの炭が焼きあがるようになりました。(写真中央が橋本さん)

いま、炭焼場には2基の窯があります。次回別の場所で土窯を作ることがあるとしたら、この窯の土も持って行くつもりでいます。それくらい土と土窯には思い入れがあるんです。

そうそう、土窯でなくても、アルミドラム缶で竹炭を(土窯に比べれば)気軽に作ることができるそうです。「小学生の炭焼き体験」や個人など、趣味や学習の一環としてドラム缶炭窯をする方がいらっしゃいます。